2010年6月1日火曜日

【CG】 人材難な職種について

さて、先週でほとんどの同僚がALを去ってしまったので、僕が所属するデパートメントは僕を含めて4人だけになってしまいました。
アニメーターやライターはどんどん増えるのに対して、モデラー、サーフェーサーは減る一方で寂しい限りです。そんな今日この頃です。こんばんは。

今日は昨日のブログの最後にも書きましたが、海外就職しやすい職種について紹介します。っと書きましたが、海外就職しやすいと言うとかなり語弊があるので、人材難な職種と言う事で紹介させていただきます。

現在、海外プロダクションで最も人材不足なのはVFX artistです。(ShaderWriter除く)
おそらく何処のプロダクションもVFXartist(特にTDクラス)は常に募集していると思います。
VFX TDは、現在世界的に人材難です。ALではインターンからVFXartistを育てようと言う事で募集すらでています。
なぜこれほど人材難なのか?これは僕の個人的な推測ですが、CGをやる上でVFXと言うのは少し特殊な技術、知識が必要になってくるため、成り手が他の職種に比べて少ないからだと考えています。
また仮にVFXが得意だからと言って、VFXartistに応募したとしても、実用レベルに到達している人が少ないため、これほど世界的に人材難な職種になってしまったのだと推測しています。

逆に現段階で、VFXartistとしてそれ相応のキャリアを積んだ人と言うのは、引く手あまたなのではないでしょうか???(推測です)

次に人材難なのは、おそらくLightingTDやMattePainterだと思われます。近年のCG制作の傾向としては、LightingArtistがそのままコンポまで仕上げてしまうケースが多くなっています。
もしくはプリコンポをLightingArtist、最終コンポをコンポジターと言うような感じになりつつあるようです。
そのためLightingTDのようにLightingやテクニカルな部分(ツール制作やShaderに関する知識)に精通していて、なおかつコンポジットも出来ないといけない。そういう意味で、比較的何処のプロダクションでも人材難のため募集している事が多いです。

MattePainterに関しては、ポストプロダクションに入って終盤に多くの募集をけけるプロダクションが多いようです。Mattepaiterは画面の大部分をMattePaintで埋める事ができるので、非常にプロジェクトの終盤に重宝されます。Lightingが間に合わないショットやモデリングはあるけどShaderが付いていないオブジェクトなどは、カメラプロジェクションによるマットペイントで、ショットの背景を完成させる事が出来ます。


逆に募集しても採用が難しい、中々募集していないのが、モデラー、テクスチャーアーティスト、キャラアニメーター、コンポジターです。

モデラー、テクスチャーアーティストに関しては、それほど専門的な知識を必要としないので、まず第一にアーティストの数が多いです。当然ですが、数が多いとそれだけ優秀なアーティストも多くなります。
また、高い費用をかけて海外から人を雇わなくても、自国のアーティストだけで事足りると言うのが現状ではないでしょうか?
そんな競争率が高い職種で、しかも海外で自分のポジションを見つけると言うのは大変な事だと思います。
ただ、僕個人的に思うことは、日本人ほど丁寧で綺麗なモデリングを作る人種はいないのでは?っと思うぐらい日本人と言うのは丁寧な仕事をします。
こちらに来て、ビックリしたのがLeadModerといわれる人たちのモデルの大雑把なことこの上ないです。
酷いモデラーなどは不正ポリゴン、多角形、ダブルエッジ、ダブルヴァーテックスなどなど爆弾いっぱいです。仕事は早いのですが、あまりにもメッシュの割が汚くて、文句を言いに言ったことすらあるぐらい割が酷い物もありました。
だから、悲観的にならずに中身(見た目とスピードも大事ですが)で勝負すれば、十分海外でも就職を勝ち取れると思います。

次にキャラアニメーターは、海外プロダクションでは人気職種の一つです。非常にアーティストの数も多く花形職種だといえます。レベルも非常に高いです。また、海外のアニメーターの多くは、元アニメーター(2Dで絵を描く方の)と言う人も多いので、カット割りアニメーションと言う独特なアニメーションのつけ方をします。
日本のアニメ作業で言うと、原画を描いて、間を動画で補完していくような方法ですね。ちょっと文章での説明が難しいですが、日本のように一コマ一コマキーフレームを打つ方法とは少し違った方法でアニメーションをつけます。
これからアニメーターとして海外を目指す人は、相当良いものを作らないと採用は難しいのではないでしょうか?それほど競争率が激しい職種と言えます。

コンポジターに関しては、先ほど述べましたが、近年LightingArtistがそのままコンポまで仕上げるケースもめずらしくないです。そのため募集人数が年々減ってきていると聞いています。
プロジェクト終盤には大量採用するプロダクションもあるようですが、あくまで一時的な物です。
各プロダクションに古くからいるコンポジター(古い人だとFilmの時からの人もチラホラ)がほぼ専属と言う形でいるので、新しくその中に入っていくのは非常に困難だと言わざるをえません。
また、コンポジターは多く人が年配(30歳後半から40歳以上)の人が多く、これからCGを始める、もしくはコンポジターとして、海外就職を目指している人は、それ相応の努力が必要だと思います。

あと番外編ですが、ShaderWriterも職種としては海外で非常に重宝されますが、日本ではShaderを書くということ自体を学ぶのが難しです。

かなり主観的な見方も入っているかもしれませんが、人材難な職種や採用されにくい職種について紹介させていただきました。
色々と書きましたが、あくまでも参考程度にして下さい。採用されやすい、採用されにくいは多少あっても、現に海外で活躍している日本人は大勢います。しっかり自分がなりたい職種を見定めて、良いデモリールを作れば、きっと海外就職への道は開けて来ると思います。

これは自分自身にも言い聞かせている事ですが、日々精進して、諦めずに頑張ってください。

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